エステートのシャルドネは果実味が生き生きと前面に出ていますが、リザーヴはより腐葉土やミネラルのノートが顕著で、質感はワインに溶け込んだ澱の効果で、しっかりと厚みのあるものになります。まだ6ヴィンテージしか作っていませんが、いままでの5ヴィンテージで検証すると、リザーヴはエステートに比べて熟成の度合いがゆっくりと進むようです。
柑橘類、アニス、ヘーゼルナッツのアロマ。土壌由来のミネラルが豊かなワイン。
20エーカーの自社畑でマウント・エデン・クローンを使用。
100%樽醗酵、10ヶ月樽熟成(新樽50%)。100%マロラクティック醗酵をさせる。
その後、シュール・リー状態で約12ヶ月タンク熟成の後瓶詰め。
2008年にパターソン夫妻がブルゴーニュを旅した時に、ブルゴーニュの偉大な白ワインを作る多くの生産者が、シュール・リーで長く熟成をさせているのを見て感化され、2007年ヴィンテージから作り始めた商品です。
自社畑のシャルドネの中から品質の良いロットを選び出し、通常のシャルドネと同様に、樽醗酵、樽熟成させた後、全ての樽を集めて、良質な澱と共に小さなステンレスタンクで12ヶ月熟成させてからタンクを開けてみると、驚くことに澱はなくなっており、まるでシャンパーニュが長い年月澱と共に瓶熟成させ、澱の旨みがシャンパーニュに溶け込むように、このシャルドネにも更なる旨みが加わっていました。更に瓶の中でゆっくり熟成させることで、さらに色々なアロマやフレーバーが生まれてくるでしょう。醸造方法の工夫が、テロワールの個性だけでなく、ワインに影響を与えることができるという興味深い事実をこのワイン作りを通じて学びました。