2014年もまた、スーマ・オールド・ヴァインの特徴が良く出た年となった。オールド・ヴァインの区画は自然に収量が落ち、
凝縮した果実となる(1.5トン/エーカー=25h/ha 参考までにロマネ・コンティは18h/haと言われている)。
2014年のスーマ・オールド・ヴァインを一言で言えば、オレンジのニュアンス、森林、土っぽさ、紅茶の風味が今までのヴィンテージの中で最も良くでている。特徴である深みと共に軽やかさがあることが表現されている。
2014ヴィンテージコメント:
ピノ・ノワールは、品種の特性を表しており、各畑からのそれぞれの特徴のままに生き生きと個性を表している。2013年はどちらかと言えば、しっかりとした骨格を維持し、よりセラーに長く置き、熟成を楽しむことが出来る。一方2014年はもっと畑の特徴を綺麗に表現し、繊細なニュアンスが溢れている。デリケートという言葉では表しきれないが、タンニンの力強さよりもより「ピノ・ノワールらしい繊細さや柔らかさ」がまとまりを見せている。2013年と比べて2014年の方が、葡萄の皮が薄く、葡萄の粒はやや大きかった為ではないかと思われる。2013年も2014年も、収穫を十分に待ち、天候の状況を見ながら、摘みたいと思われる状況(酸と糖度と成熟のバランス)を自由に選ぶことができた。2013年、2014年とも完璧な状況で、どちらとも甲乙が付けがたい仕上がりである。
この魅惑的で薫り高いワインはいつも私たちを驚かせてくれる。このワインはまさにリヴァース・マリーを始めようとしたきっかけのワインでもある。前述の栽培家のスコット&ジョアン・ツェラー夫妻より、「オキシデンタル地区」にある、「スーマ・ヴィンヤード/Summa Vineyard」を譲り受けたが、この畑は以前より多くの生産者が葡萄を購入した珠玉の畑である。
1980年代からはWilliams-Selyemが、2000年代になると、Rober-Mueller, Littorai, Brogan Cellarsなどが葡萄を調達する。
その中でもオールド・ヴァインの区画は、比較的新しい樹齢の区画とは別格の味わいを示し、伝説的なピノ・ノワールが造られた。
植樹されたのは1978-80年位で、現在樹齢は40年弱。デヴィッド・ハーシュがソノマ・コーストに注目し、ハーシュ・ヴィンヤードに植樹した時期と同じである。オリジナル・スーマ(オールド・ヴァイン)は約0.8ha、ウイリアム・セリエムの元オーナー・バート・ウイリアムが1988-1997まで造ったワインはこの畑のスワン・クローンであったと予測される。1998年に新たに買い足された区画には、オールド・ヴァインの中でも優良な樹から挿し木をして増やしている。(樹齢約15年) リヴァース・マリーでは古い区画をスーマ・オールド・ヴァインとし、新しい区画はスーマとして分けてワインを造っている。(しかし、2011年のように品質的に満足できないとしてスーマ・オールド・ヴァインは造らず、全てスーマにブレンドする年もある。)
生産量約200ケースのみ。