葡萄の樹を植えました。

ナパヴァレーやソノマに足を運ぶと、「いつかこんなワイナリーを持てたらいいな~」と現実味のない夢をつい描いてしまう。カリフォルニアの青い空の下で、ワインを片手に観光気分で一面に広がる葡萄畑を前にすれば、誰もがきっとそう思うだろう。

 

ソノマで活躍する日本人、私市(キサイチ)さんは知る人ぞ知るMABOROSHI(幻)WINERYのオーナーでフランスのラ・ターシュとの出会いがワイン醸造家への道へとかきたてた。今月初旬に来日し、私の店にも顔を出してくださった。

 

金曜日ということで、予約で満席状態であったため、私市さんの来店を告知することができず、お客様からしてみれば、突然の来店に驚かれた人も少なくなかった。

 

私市さんの醸造家としての道のりは過酷そのもので、それはワイン蔵とて同じだが、私が葡萄畑を前にしたみた夢は、おそらく私市さんのみならず、醸造家の人達から鼻で笑われてしまうだろう。私はワインを口に含む時、必ず、このワインはどんな道のりを辿ってきたのかを想像する。

それを伝えることは困難だが、道のりがどんなに過酷であろうと、自分の道のりがワインに表現できるのなら、やはり夢は持ち続けていたいと思う。 昨日、自宅に葡萄の樹を植えた。 MABOROSHI WINERYのクローンで、私市さんから「挿し木にしてみてください」と頂いたもの。

ワインを飲んで勉強するだけではなく、自らの手で葡萄を育てることで、何かを感じてほしいとの私市さんのメッセージが込められたものなのかもしれない。我が家でフィロキセラが発生したらどうしよう・・・。来年の秋、房を垂らした葡萄の前でにっこりと笑う私の姿に期待してください。

写真:自宅に植えたMABOROSHI WINERYのクローン(ピノノワール)

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